CATIA V5のアセンブリ上で一度にたくさんの部品をコンパスを使って移動させたい。というシチュエーションがあると思います。
ところが、仕様ツリー、トラップによる囲い込みによる、複数選択をしても、コンパスが反応しないので、一度の部品移動ができない、ということが発生します。
この事象は、CATIA V5をインストールして、環境の設定を変更していない場合に起きます。ここからは設定の変更についてご紹介します。
コンパスが反応しないというのはどういう状態なのか。
選択したオブジェクトが全てオレンジに光っています。
移動する部品が選択状態であれば、コンパスは「明るいグリーン」の表示になります。
ところが、この画面では、オブジェクトが選択されているにも関わらず、コンパスは「ホワイト」の表示のままです。
このように、コンパスが「ホワイト」状態だと、コンパスをドラッグしてオブジェクトを移動しようとしても、オブジェクトは追従しません。
これが、コンパスが反応しない、という状態です。
本来は、選択されたオブジェクトがオレンジになっていれば、コンパスは「明るいグリーン」表示になります。
この「明るいグリーン」状態でコンパスをドラッグすると、選択されているオブジェクトの移動が可能になります。
なぜ選択しているのにも関わらず、コンパスが反応しないのか。
CATIA V5では、一度にたくさんのオブジェクトを選択すると、パフォーマンスの劣化が起きて、応答速度が落ちる場合があります。
このため、複数同時選択を可能とするオブジェクト数の上限が設定されています。
この設定値を変更することによって、複数同時選択数を増やすことができます。
オブジェクト選択数の設定変更をしよう。
複数同時選択数の上限は、CATIA V5のオプションで設定します。
「ツール」メニューから「オプション」を選択します。
オプション画面が起動します。
画面左側のツリー形状から「一般」の下にある「表示」を選択します。
視線をオプション画面の右側に移し、「ナビゲーション」タブを選択します。
「選択」という項目に、「マニピュレータの表示制限○○エレメント」に記載されている数がデフォルト値"50"になっています。
一度に多数のオブジェクトを選択しても反応しなかった原因はオブジェクトの選択数"50"が限度で、それ以上に選択していたことが分かります。
"50"の数値を変更します。少し多めの数値に変えると良いでしょう。
数値の変更後[OK]をクリックしてオプション画面を閉じます。
数値を大きくする分、パフォーマンスの劣化を考慮することが必要です。
数値の変更後、一度にたくさんのオブジェクトを選択しても、コンパスは「ホワイト」表示ではなく、「明るいグリーン」に変化して、コンパス操作が有効であることがわかります。
この設定によって、同時選択の最大数を増やすことができます。ただしこの設定はCATIA V5のパフォーマンスに影響を与えますので、必要に応じてこまめに設定を変更することが必要です。
今回は、アセンブリファイルの部品移動を例にとりご紹介致しましたが、実際に、多数のオブジェクトを選択して、次の操作を実行したいと思ったときにできなかったりするものもあります。そのような時にお試しください。
0 件のコメント :
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。