CATIA V5では、表示精度を制御することによって、サーフェイスの表示のガタガタ度合いを制御することができます。
データ表示精度ってなに?
3D CADを使用していると、データの表示が粗かったり、滑らかだったり、、、これって変更できるの?
3D CADを使い始めた方の中には、このような経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。
CATIA V5の場合、デフォルト時のデータ表示精度は図のようになっています。
では、データ表示精度って何でしょうか? これは、3D CADでデータを表示する際にサーフェスやエッジの表現をどれだけ粗く/滑らかにするかを設定するもので、例えば精度が極端に粗いと、円が多角形のように見えたりします。
なおデータ表示精度は、(3D CADによって内容は異なりますが)任意に変更することが出来ます。
CATIA V5のデータ表示精度を変更してみよう。
それでは、CATIA V5のデータ表示精度の変更方法について、説明していきます。
CATIA V5の[ツール]メニューから[オプション]を選択します。
次に、パフォーマンスの設定で、[3D精度]および[2D精度]の設定内容を任意に変更します。
この例では、3D精度の固定値を「0.20」から「0.02」に変更してみます。
どうでしょう、先ほどのデフォルト設定よりも滑らかな表示になっているのがわかりますか?
同様に、[2D精度]についても設定内容の変更が出来ます。
データ表示精度とパフォーマンスの関係。
このように、データ表示精度を変更することで見た目上の表示が変更されますが、何故このような機能が必要なのでしょうか?
それは、3D CADを使用しているパソコンに関係があります。
例えば、見た目上の表示を極端に滑らかにしておくと、パソコンのスペックによってはデータ表示が遅くなったり、最悪の場合はパソコンがフリーズしてしまうことがあります。
つまり、データ表示精度を滑らかにするとパフォーマンスが低下し、データ表示精度を粗くするとパフォーマンスが向上します。
現在、パソコンのスペックは向上していますので、あまり気にする必要はないと思っているかも知れませんが、自動車やAV機器などのアセンブリデータを一括表示したり、複雑な部品データを表示するには、かなりのスペックが必要になることがありますので、不用意にデータ表示精度を滑らかにしてしまうと著しくパフォーマンスが低下する可能性があり、注意が必要です!
データ表示精度を変更することで何が変わる?
ここまで説明してきた内容で、データ表示精度を変更することでパフォーマンスに影響が出ることはご理解いただけたと思いますが、CATIA V5では、次のことにも注意する必要があります。
CATIA V5では、データ表示精度の設定内容にしたがって表示されているデータをそのまま使用して、干渉チェックを行います。
つまり、データ表示精度が粗い場合、本来は干渉している部品が干渉していないという結果になる可能性があります。
この場合、データ表示精度をより滑らかにすることで本来の結果を得ることが可能ですが、同時にパフォーマンスが低下してしまいますので、不要なデータを開かないなどの工夫が必要です。
なお、CATIA V5では、アセンブリデータを開く際、データを直接開かないで、表示のみされる形式(※CGR)で開くことが出来ます。
この方法であれば、データを直接開くよりもパフォーマンスが向上しますので、アセンブリデータの場合は、こちらの方法を推奨しています。
※CGR=CATIA graphical representationの略で、CATIA独自の形式。CATIA V5では、アセンブリの表示モード時に使用されます。
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